2012年11月22日木曜日

会の紹介と参加のお誘い

「ハイリスク」な女の声をとどける会 ~会の紹介と参加のお誘い~


20128月末に登場した「新しい出生前検査」は、35歳以上の「ハイリスク」の妊婦であれば、胎児に3種類の「染色体異常」があるかどうかを「高い確率」で判別できると報じられています。そして、この検査を利用できるようにすることは「女性の“安心”につながる」とか「女性の“ニーズ”」と言われています。しかし果たして本当にそうでしょうか。


「検査を受けるか/受けないか」を選ぶことは、さまざまな葛藤を生みます。たとえば、受検するかどうかの決断を迫られるのは、安定期前です。つまり、胎児の状況によっては流産するかもしれないという時期に、「産むか/産まないか」につながり得る検査を目の前に提示され、受検するかどうかの決断を迫られる…。これが、この検査が私たちのからだにもたらすかもしれない現実なのです。


さらに、検査を選択するということは、検査の結果にかかわらず、その先には「産むか/産まないか」の選択が待ち受けています。そもそも、検査で「陰性」と判定されたとしても、その後の妊娠のゆくえ、分娩中に起きること、子が生まれた後に患う病気や出遭う事故は予測することができません。それなのに、検査によって判別できるわずかな「染色体異常」(文献によりバラつきはあるが、先天異常は全妊娠に対して35%といわれる。染色体異常はそのうちのさらに615%でしかない)を知ることが、私たちの“ニーズ”や“安心”と言えるのでしょうか。


出生前検査をめぐる問題は、私たちのからだ(妊婦にとって「私と胎児」)に起こる私たちの問題です。だからこそ、「私たちにとっての“ニーズ”や“安心”とは何か」、そして「医療や子育て支援や障害者福祉など、どんな支えのある社会に生きたいと考えているのか」、私たち自身が、共に考え、表明することが必要なのです。私たちの声を人々に届けましょう。


まずは、201211月中に日本産科婦人科学会の「母体血を用いた出生前遺伝学的検査に関する検討委員会」に、妊婦の立場を反映させた意見書を提出することを目標としています(時間がない!)。その後も引き続き、検査の当事者である妊婦の声を集めたり、検査について語る場を設けることを予定しています。
 
 
妊婦はもちろん、「ハイリスク」としてふるいにかけられた女、その前後の産むかもしれない女、産み終わった/産めなかった/産むつもりがない/産むつもりがなかった…などなどさまざまな女たち、そして検査について共に考え、共に声をあげようという方ならどなたでも、みなさまのご参加を心よりお待ちしております。
 
20121118
 
「ハイリスク」な女の声をとどける会
 
連絡先:hrwomen2012_gmail.com(_をアットマークに変換してください)